京都市京セラ美術館に行ってきました

2021年に日本建築学会賞を受賞した京都市京セラ美術館に行ってきました。

1933年に開館し、築後80年経過していた建物は各所で老朽化が進行したことや、多様化した現代美術作品の展示空間に対応できなくなった為、改修することとなった。
歴史的な美術館の姿を後世に残しながらも現代のニーズに応える「保存と活用」をいかにすべきかを考え改修設計され、約2年間の工事を経て2020年春にリニューアルオープンした。

 

 

見た目通り、歴史的で趣ある帝冠様式の外観は元々の状態を残しているが、正面玄関に向かって西側正面広場を緩い勾配のスロープ状に掘り下げて、かつて正面玄関地下にあった下足室(クローク)に新たにリボン状のガラスエントランスを挿入している。
このエントランスは、近づいてみるとガラスのリボンが挿入されていることに気づくが、離れてみた時にスロープ状に掘り下げている為にそのガラス部分が隠れる。遠目からみれば、美術館を強く印象づけてきた正面ファサードは改修前から変化していないように見えるのである。
また緩い勾配のスロープはエントランスへ人々を自然と導き、スムーズにアクセスできる、さらに掘り下げた部分はゆったりとした時間を過ごすための広場となっている。

 

B1エントランスからロビーを通り階段を登ると大きく吹き抜けた中央ホール(旧大陳列室)に出てくる。

 

実際訪れると、この大空間は圧巻です。

 

床材も昭和初期の建物に合うように選定されているのだろう。

 

本館、中央ホールを抜けると新館がある、新館は今回の改修でつくられたものである。
閉め切られていた本館の扉を常時開放にし、ガラス貼りの新館を増築することで、その奥にある日本庭園への眺望を確保している。

 

西広間の大階段

 

新旧が絶妙に融合した素晴らしい建物で、とても勉強になった。

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