所在地
和歌山市新通
竣工年
2021
構造
木造
規模
地上1階建
敷地面積
135㎡
延べ面積
42㎡
本建物は水道工事業者のオフィス兼倉庫である。和歌山市内の中心市街地に位置し、周辺にはオフィスやマンション、住宅が混在して建ち並んでいます。
現時点で敷地北西と南東は空地になっているが将来、境界に近い位置に新たに建物が建つことが予想される。
そうなると敷地としては隣棟間隔が狭く、街区として窮屈である為、隣家との正対を余儀なくされ、互いに意味のある開口を設けることが難しくなります。
そこで、本計画では開口部と敷地境界との間に小空間ではあるが奥行きを造り、都市に対しての緩衝空間を生み出すことを考えました。
緩衝空間を設けたことにより、2つの平面ボリューム(打合せスペース棟と事務スペース棟)がズレながら重なった配置となり、さらに道路側から建物内部に土間を通すことで、それらを繋げる役目も果たしています。
北東から南西方向に貫通した土間空間は、ヴォイドとして視線の抜けをつくり、訪れる人々を外部から内部へ誘導します。
建物は平屋である為、今後隣地にできるであろう2階建て以上の建物から視線を調整する目的と、雨天時の倉庫への資材搬入に配慮した屋根は、1枚の折紙を折り曲げたようなイメージで2つのボリュームを一体的に包み建築の輪郭をぼかしています。
それら仕掛けにより打合せスペースの掃出し窓を開けると、外部との境界が曖昧な縁側のような場所が生まれ、半屋外的なスペースはたくさんの人が集まるコミュニティの節点となることを期待しています。
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